登山にいきたいなぁと思っても、新型コロナウイルスの影響で、なかなか難しいかもしれません。
そんな世の中ではありますが、子どもと登山をしたい、計画を立ててみようとしている方に、読んでもらえたら、嬉しいです。
わが家の経験を振り返り安全登山について考えてみました。
わが家の場合
生後13ヶ月登山デビュー 高尾山ケーブルカー利用
息子は生後13ヶ月で登山デビューしました。
記念すべき最初の山は、ミシュランに登録された高尾山。
もちろん、自分で歩くことはできないので、ベビーキャリーを活用しました。
登頂後、もみじ台まで下り、茶屋でのんびり過ごしました。
もちろん、往復ともケーブルカーに乗りました。
親の、体力を温存するって意味が大きいし、子どもはケーブルカーに乗るだけでもテンション上がりますからね。
わが子は、ほげーっとしていましたが、、、😅
ベビーキャリーを使用していたので、子どもにとっての負担は少なかったかなと思います。
箱根駒ヶ岳 ロープウェー利用
高尾山の次に目指したのは、箱根の駒ケ岳です(標高1356m)。
駒ケ岳はロープウエーで直で登れます。
ロープウェー山頂駅が、「ハウルの動く城」に出てきそうな雰囲気を醸し出していました。
巨大な屋上庭園みたいな所です。
眼下には芦ノ湖が、また、富士山の眺望も素晴らしいです。
この時も、ベビーキャリーを使ってました。
入笠山 ゴンドラ利用
その翌月、もっと標高が高く、気軽に登れる山を検討した結果、長野県の入笠山に向かうことにしました。
入笠山は長野県中西部に位置する、標高1955mの山です。
デビューした高尾山は、標高599mなので、標高差はかなりのものです。
スキー場のゴンドラで一気に標高を稼げるので、子連れ登山に向いているなと考えました。
ゴンドラで山の中腹まで移動。
登山道では、多くの登山客とすれ違い、おばちゃん方から「がんばってるね。おとうさん。」と声を掛けられ有頂天になる私。
頂上に着くと、あるテレビ局のクルーが登山番組の収録をしていました。
私たちもインタビューを受け、子連れ登山の楽しさを語らせていただいたのですが、、、。
インタビュー後、登山経験が豊富そうなカメラマンから、ある指摘を受けて、ハッとしました。
「乳幼児を高所に連れてくることはリスクが伴いますよ。低酸素や鼓膜への影響とか。」
ガラガラガッシャーン!
私の心にぐさりと突き刺さりました。
標高の高い登山が、乳幼児の身体にどのような影響をおよぼすのか、まったくもって、認識できていませんでした。
医学的な立場で安全登山を考える
登山は大前提として、高度差を伴う移動にあります。
注目すべきポイントとして、高度が上昇することで、酸素濃度が低下します。
ヒトにとって呼吸は生きるために必要です。
大気から酸素を体内に取り込み、体内でできた二酸化炭素と交換し、二酸化炭素を排出する行為を、絶え間なく行っています。
高山病が起こりやすい高度
高山病は低酸素環境の高所で起こる病気で、標高2500m以上の場所で起こるといわれています。
高度と酸素飽和度の関連性
赤血球の中のヘモグロビンが肺で酸素と結合して、身体の隅々まで酸素を運ぶ役割があります。
ヒトは高所に行くと、どのような変化があるのでしょうか?
図解 山の救急法という本にこのように記載ありました。
海抜0mであれば酸素とヘモグロビンが結びつく割合は98%です。しかし、高度を上げると、気圧が下がり、酸素も薄くなるため酸素飽和度が低下し、低酸素血症になります。待機中の少ない酸素を取り込むために、呼吸数が多くなり(過換気)、これが続くと血中の炭酸ガス分圧が低下して「呼吸性アルカローシス」になり、血液がアルカリ性に傾きます。
図解 山の救急法 著者 金田正樹、伊藤岳 イラスト橋尾歌子 出版社 東京新聞出版局
血液がアルカリ性に傾くことは、身体にとって深刻なことです。
ふらつき、筋肉のけいれん、錯乱、失神などの原因になります。
登山中、これらの症状が現れたら非常に厄介ですね。
集団で行動しているなら、助けを求めるのは容易ですが、単独行となると、登山者が多いエリアだったらまだしも、少ないエリアであれば、冷や汗もんです。
標高 | 酸素飽和度 |
海抜0m | 98%以上 |
富士山山頂 3776m | 85% |
エベレストベースキャンプ 5300m | 60% |
デスゾーン 8000m以上 | 40%以下 |
標高と酸素飽和度の関係
子どもの場合は経験も少なく、ましてや乳幼児となると、頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が高度によるものなのか、疲労によるものかを判断することは困難です。
登山を続けるか、下山すべきか引率している大人がすぐに判断する必要があります。
そこんとこ、よろしく!
安全に登山を楽しもう!
昔っから、お家に帰るまでがって、いうよね。
まとめ
わが家の事例を交え、お伝えしました。
特に大きな問題はなかったと思います。そうだといい(こころの声)。
乳幼児が、会話ができれば、「○○が痛い」「気持ち悪い」って表現できるけど。
それはできません。
親や同伴者が、子どもの変化を、見逃さないように務めなければなりません。
今回、高山病をメインにお伝えしましたが、登山の安全については、もっともっと考えないといけません。
気温が高くなってくるこれからの時期、熱中症、脱水などの危険性が高まります。
安全に登山を楽しんでいきたいですね。
・体調不良になったら、可能であれば下山する
それでは、また。